タイの特別な長期滞在を可能にします

【タイ移住】日本とは全く違う、タイの医療保険の「正解」とは。

以前、「タイの病院事情」についてお話ししましたが、今回はその病院の支払いにも直結する、タイの「保険」について深掘りしていきましょう。

「タイの私立病院は高級ホテル並みだ」というお話は前回しましたが、実はその豪華なロビーに足を踏み入れるには、ある種の「チケット」が必要です。

もし、そのチケットを持たずに盲腸で入院でもしようものなら、退院時に数百万円を超える請求書を見て、病気とは別の意味でめまいを覚えることでしょう。

今回は、「タイ移住で後悔しないための保険選び」についてシェアします。

「お守り」では済まされない。クレカ付帯保険の限界

「お守り」では済まされない。クレカ付帯保険の限界

移住初期の方が一番やりがちなのが、「ゴールドカードやプラチナカードの付帯保険があるから、最初の3ヶ月は大丈夫でしょ?」という考えです。

ハッキリ言います。それは、大雨の中を薄いビニール傘一本で歩くようなものです。

まず、多くのカードは「利用付帯」といって、航空券などをそのカードで決済していないと発動しません。さらに、有効期間はたったの90日。

そして何より致命的なのが「治療費の上限」です。

日本のカードの多くは、治療費の上限が200〜300万円程度。一部のプラチナカードでは1000万円のものもありますが、一般的には高くても500万円程度でしょう。

「それだけあれば十分じゃない?」と思うかもしれませんが、タイの大手私立病院でICUに入ったり、大きな手術をしたりすれば、あっという間に上限に達してしまいます。

クレジットカードの保険はあくまで「観光客の繋ぎ」であって、長期滞在者にとっては心もとないんです。

タイの「民間医療保険」の選び方

タイの「民間医療保険」の選び方

バンコクに腰を据えて暮らすなら、やはり現地の「民間医療保険」への加入が王道です。

「AIA」や「アクサ(AXA)」、「アリアンツ」といった外資系の大手がしのぎを削っています。

ここで富裕層の方にぜひ選んでいただきたいのが、保障上限が「年間合計」で設定されているプラン。最近のトレンドは、年間の保障額が「2,000万バーツ(約1億円)」を超えるようなハイエンドなプランです。

これに加入する最大のメリットは、何と言っても「キャッシュレス診療」の安心感にあります。

病院の受付で保険証(またはスマホのアプリ画面)を提示する。たったそれだけで、高額な診察代も検査代もキャッシュレスで対応してもらえるのです。

歯科治療と「通院特約(OPD)」の落とし穴

歯科治療と「通院特約(OPD)」の落とし穴

保険選びで多くの方が迷われるのが、「通院(OPD)保障」と「歯科治療」をセットにするかどうかです。

まず、タイの医療保険の基本は「入院(IPD)」です。大きな手術や入院費用をカバーするのが主目的ですが、風邪やちょっとした体調不良で診察を受ける「通院」を保障に含めると、保険料がグンと跳ね上がります。

僕含め、「数千円〜1万円程度の通院費なら自腹で払い、保険料を抑える」という選択をする日本人も多いです。

そして、盲点なのが「歯」です。

実は、タイの一般的な医療保険では、歯科治療は対象外か、あるいは非常に限定的な保障であることがほとんど。

歯科治療については保険に頼りすぎず、「信頼できるクリニックを見つけて、定期的にクリーニングに通う」というスタイル。自費診療にはなりますが、丁寧な治療が受けられます。「保険でカバーできないから」と放置せず、早めにメンテナンスのルーティンを築くのが、結果として安上がりな方法です。

 

日本の「海外旅行保険(長期)」はありか?

日本の「海外旅行保険(長期)」はありか?

「やっぱり日本の会社の方が安心だ」という方には、日本の損保会社が提供する長期滞在者向けプランという選択肢もあります。

メリット

すべてが日本語で完結する安心感。さらに、病気だけでなく「盗難」や「賠償責任(他人の高級車にぶつけてしまった等)」までカバーされる網羅性は、日本の保険ならではです。

デメリット

とにかく保険料が高いことです。タイのローカル保険に比べると、2倍から3倍の保険料になることも珍しくありません。

「コストよりも安心感。とにかく日本語のフルサポートが欲しい」という方には良い選択肢になりますが、タイでの生活に慣れてくると、現地の民間保険に乗り換える人が多いのも事実です。

忘れがちな「持病」と「年齢」の壁

忘れがちな「持病」と「年齢」の壁

保険について、皆さんに一番強く伝えたいことがあります。

それは、「保険は、健康な時にしか買えない」という非情な現実です。

タイの保険審査は、実は意外とシビアです。

血圧が高い、少し血糖値が……といった「持病」がある状態で申し込むと、その部位の治療が保障から外されたり(特定部位不担保)、最悪の場合は加入自体を断られることもあります。

だからこそ、移住を考え始めたら、まずは日本で、あるいは移住直後のバンコクで人間ドックを受けてください。

自分の「現在地」を知り、健康なうちに最強の盾(保険)を手に入れる。これが、後で数百万の差になって跳ね返ってきます。

まとめ

タイの医療保険料。それは単なる「出費」ではありません。

不測の事態が起きたときに、あなたの築き上げた資産を、そして大切な家族を守り抜くための「防衛予算」です。

1回の入院で、せっかくの移住資金を使い果たしてしまう。そんな悲劇だけは絶対に避けてください。

自分の年齢、持病、そして「どのレベルの病院で、どんな扱いを受けたいか」。

それらを基準に、自分にぴったりの「盾」を選んでください。

準備さえ整えば、バンコクの素晴らしい医療環境は、あなたの味方になります。

万全の備えとともに、タイ生活を楽しんでください。

筆者紹介

明石直哉

筆者近影

2011年からバンコク在住。2015年に起業し、現在は会社経営と写真家という二足のわらじで活動中です。 このブログではタイ移住を検討している方に向けて、在住10年の経験を活かした情報を発信していきます。

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